大学関係資料について

九州大学年表

昭和元年〜昭和19年

昭和元年(1926年) 1.21農学部附属北朝鮮演習林を設置。
2.2附属図書館処務細則を制定。
3.13庶務課長委任事項,会計課長委任事項を制定。
3.19朝鮮総督府勧業模範場技師兼本学農学部教授大工原銀太郎,第3代総長に就任。
3.31法文学部本館(背面)995竣工。
3.-附属図書館800余坪竣工。
4.15『法文学部紀要』を創刊。
5.8寄宿舎規程を制定。
5.29岡田文部大臣,学生・生徒の社会科学研究禁止を通達。
10.6法文学部,左翼学生5人を停・退学処分。
10.30「学医ニ関スル規程」を制定。
10.-学生集会所の使用が許可制となる。
12.-『福岡医科大学雑誌』,学友会から医学部雑誌部の経営に移行。
昭和2年(1927年) 2.-『九大医報』を創刊。
3.-医学部第一外科教室,法文学部心理学教室92坪竣工。
6.12法文学部学生,法文会を設立。6.18法文会,『九州大学新聞』を創刊。
9.9評議会,セツルメント設置計画を承認。昭3.1セツルメント活動開始。
9.22教授定限年齢制内規を制定(60歳停年制実施)。
10.25福岡日日新聞,法文学部内訌事件を報道。11.22同事件により法文学部5教授,1助教授休職。
10.-工学部応用化学教室931坪竣工。
11.25学友会文芸部,『筑紫文学』を創刊。
11.30法文会学芸部,『法文論叢』を創刊。
12.27大学本部に学生課を設置(学生監室廃止)。
昭和3年(1928年) 3.15共産党員大検挙(3.15事件)。
3.30大正8年以降廃止の卒業証書授与式を学士試験合格証書授与式として復活(法文学部第1回卒業)。
3.-大学本部,法文学部本館内から現在の建物に移転。
4.10津屋崎臨海実験所を廃し,天草臨海実験所を設置。
4.17文部省,学生・生徒の思想傾向の匡正,国民精神作興を訓令〔文訓5〕。
4.19評議会,社会文化研究会の解散を命ず。また3.15事件に関係した医・農・法文学部学生等の放学・退学処分を決定。
4.243.15事件により,法文学部向坂逸郎,石浜知行,佐佐弘雄3教授辞職。
5.10評議会,学生の組織する会について学生課への届出制を決定(「会ニ就テノ手続」を制定)。
9.11閣議,思想善導施設費約15万6000円余を文部省の責任支出とすることを決定。
10.24医学部創立25周年記念式典挙行,『九州帝国大学医学部二十五年史』を刊行。
10.30九州帝国大学官制改正,学生主事および学生主事補を置く〔勅252〕(書記官および学生監廃止)。
昭和4年(1929年) 2.5学生課事務分掌規程を制定。
2.12九州大学新聞,全日本学生新聞連盟の結成を提唱。
9.12医学部長後藤七郎,総長事務取扱に就任。
10.9京城帝国大学総長松浦鎮次郎,第4代総長に就任。
昭和5年(1930年) 2.17医学部附属医院料金徴収規程を制定。
4.4田中文部大臣,各帝大総長を招き思想問題につき協議(~4.5)。
5.25水泳プール(25m×15m)竣工。
10.31法文会,松浦総長に「学友会解散嘆願書」を提出。
11.20工学部本館3315坪竣工。
昭和6年(1931年) 2.10農学部農芸化学教室本館全焼。
4.30医学部合同内科4788坪竣工。
5.-法文学部,入学辞退者が続出(入学許可者308人中36人辞退)。
6.22九大学生消費組合を結成。7.2評議会,解散命令。
7.1文部省,学生思想問題調査委員会を設置(昭7.5.2学生生徒左傾の原因及対策を答申)。
9.18満州事変勃発。
10.5法文学部教授今中次麿,九州大学新聞に「満州事変の責任」を掲載,軍部の責任を追求。
11.2温泉治療学研究所創設〔勅266〕(温泉治療学研究所官制制定。学内初の附置研究所)。温泉治療学研究所長委任事項,温泉治療学研究所処務細則を制定。
11.26九大満蒙問題研究会結成,第1回研究会を開催。
11.-本学学生等,箱崎町一帯の下宿料値下げ運動を起こす。
昭和7年(1932年) 1.-温泉治療学研究所附属病院,診療を開始。
5.6医・工・農・法文学部長,満州国視察に出発(6月上旬帰学)。
8.23国民精神文化研究所設置。
10.1文官普通分限委員会を設置〔文訓20〕。
11.1学生証を実施。
12.12附属図書館,『九州帝国大学図書目録』を創刊。
12.28日本学術振興会設立。
12.-学生団体皇道会を結成。
-.-本学における左翼学生運動,本年をもってほぼ終息。
昭和8年(1933年) 3.9第八臨時教員養成所廃止〔文告77〕(3.31限り)。
6.15学友会文芸部,『九大文学』を創刊。
昭和9年(1934年) 3.-医学部整形外科,歯科口腔外科建物竣工。
4.1工学部造船学科に航空工学専攻課程を設置。
5.3法文学部,学生の襟章を志望別に区別。
5.11教育勅語が下賜された本日(明44.5.11)をもって,開学記念日とすることとなり,祝賀会を挙行。
6.1文部省,思想局を設置。
9.29九州帝国大学防護団を結成。
9.-法文学部内に九州文化史研究所を設置。
11.6旧満蒙問題研究会会員を中心に,九大国綱会を結成。
昭和10年(1935年) 2.18医学部附属医院看護婦宿舎910坪竣工。
4.10文部省,国体明徴を訓令〔文訓4〕。
4.15『九州大学新聞』,第126号から『九州帝国大学新聞』と改称。
8.16医学部法医・細菌・衛生学教室2671坪竣工。
12.24福岡県会,理学部設置促進に関する意見書を文部・大蔵両大臣に提出。
昭和11年(1936年) 2.262.26事件。
3.30農学部書庫および標本庫320坪竣工。
5.9農学部創立15周年記念式典を挙行。
6.8九州帝国大学日本刀鍛錬所,火入式を挙行。
7.4長崎医科大学長高山正雄,第5代総長に就任。
9.26第1回九州帝国大学日本文化講演会を開催。
9.28第12師団管下の総合防空訓練が実施され,本学も参加(~10.2)。
10.20彦山生物学研究所,福岡県田川郡彦山村に開設。
11.7九州帝国大学創立25周年記念式典を挙行。
11.18工学部教授荒川文六,第6代総長に就任。
昭和12年(1937年) 3.-医学部附属医院伝染病棟621坪竣工。
4.1農学部農学科内に農業工学専修課程を設置。
4.22第三学生集会所三畏閣138坪竣工。
5.31文部省,『国体の本義』を刊行。
5.-医学部中央事務室および中央講堂1349坪竣工。
7.7蘆溝橋事件(日中戦争始まる)。
7.25大分県九重山麓に九大山の家三楽台(建坪107坪,敷地1万4459坪)竣工。
8.24閣議,国民精神総動員実施要項を決定。9.22工学部運動場において,国民精神総動員大会を挙行(職員・学生約3000人参加)。
8.-法文学部演習室195坪竣工。
10.1学生診療所規程施行。
11.25評議会,「支那事変ニ服役又ハ応召ノ学生生徒及ビ派遣軍人ノ子弟学生生徒取扱」を決定。
12.15第1次人民戦線事件。昭13.2.1第2次人民戦線事件。
-.-九州帝国大学防護計画を作製。
昭和13年(1938年) 4.1国家総動員法公布〔法55〕(5.5施行)。
工学部に航空学科を設置。
法文学部助教授高橋政雄,人民戦線事件容疑で逮捕される。
6.13福岡日日新聞,「九大理学部を実現せよ」を掲載。
7.28荒木文部大臣,各帝大総長を召集,総長および教授の官選を含む帝大改革問題を提起。
9.3集団勤労作業を開始(各学部学生20人,九大山の家の道路工事を行う)。
9.30農学部農芸化学教室1012坪竣工。
9.-文科系海外留学生の派遣中止を閣議決定。
11.26福岡県会,理学部設置建議案を可決。
11.-『九州帝国大学学生生活調査報告』を刊行。
昭和14年(1939年) 3.3医学部九皋会を設立。
3.5九州帝国大学大陸医療団第1班,広東へ出発。9.6第2班,北支方面へ出発。
3.30文部省,「大学学部教練ニ関スル要項」を通牒(4月1日以降大学でも軍事教練が必修となる)。
工学部航空学教室552坪竣工。
3.31理学部創設〔勅110〕(4.1施行)。4.1物理,化学,地質学の3学科を設置。4.26授業開始。
農学部附属宮崎演習林を設置。
4.1理学部規程,理学部長委任事項施行。
4.-理学部処務細則を制定。
5.15「帝国大学及官立医科大学ニ臨時附属医学専門部ヲ設置スルノ件」公布,九州帝国大学臨時附属医学専門部設置〔勅315〕。
臨時附属医学専門部学則を制定。
5.2天皇,学生・生徒3万2500余人に親閲,「青少年学徒ニ賜ハリタル勅語」を下賜(九大生50人も派遣)。5.26工学部運動場において勅語奉読式を挙行。
5.23久留米高等工業学校創設〔勅336〕(4.1適用)。
6.15臨時附属医学専門部第1回入学式。6.16授業開始。
7.-本学学生66人,興亜青年勤労報国隊に参加,北支・満州に派遣される。
9.1第2次世界大戦始まる。
昭和15年(1940年) 1.20臨時附属医学専門部商議委員会を設置。
1.30評議会,学生の教練服に関する件を決定(4.1実施)。
5.11農学部内に蚕糸化学研究所を設置。
6.-臨時附属医学専門部専友会を設立。
8.30文部省,学生生徒の映画・演劇観覧を土曜・休日に限る旨通牒。
8.-理学部仮教室竣工。
10.12大政翼賛会発会式。
10.20大分県玖珠郡飯田村に山林11町歩を購入し,大学記念林を設定。
11.10紀元2600年祝賀行事,第二学生集会所で記念式典を挙行。
12.24文部省,「大学教授ノ責務」について訓令〔文訓29〕(研究者であると同時に教育者であることを強調)。
昭和16年(1941年) 4.1文部省の指導により学友会を興学会に改組。
4.16農学部に水産学科を設置。
4.17臨時附属医学専門部学友会を至誠会に改組。
7.12医学部九皋会,躬行会と改称。
8.8文部省,各学校に学校報国隊(団)編成を訓令〔文訓27〕。9.20九州帝国大学報国隊を結成。
8.30陸軍現役将校学校配属令改正〔勅836〕(大学の学部にも軍事教練担当の現役将校を配属)。
9.22九州帝国大学防護計画を全改。
10.16「大学学部等ノ在学年限又ハ修業年限ノ臨時短縮ニ関スル件」公布〔勅924〕(大学令の規定による大学学部の在学年限を当分の間6ヶ月以内短縮)。
「大学学部等ノ在学年限又ハ修業年限ノ昭和16年度臨時短縮ニ関スル件」公布〔文省79〕(大学学部の在学年限は昭16年度においてはその年度に卒業すべき者につき3ヶ月短縮)。
10.-防空訓練規程を制定。
11.1「大学学部等ノ在学年限又ハ修業年限ノ昭和17年度臨時短縮ニ関スル件」公布〔文省81〕(大学学部の在学年限は昭17年度においてはその年度に卒業すべき者につき6ヶ月短縮)。
11.-報国隊,稲刈り・脱穀作業に出動。
12.8太平洋戦争始まる。
12.21大東亜戦争戦捷祈願式を挙行。総長訓示後,職員学生一同は筥崎宮に参拝。
12.27在学年限3ヶ月短縮による学士試験合格証書授与式を挙行。
昭和17年(1942年) 1.24流体工学研究所創設〔勅30〕(流体工学研究所官制制定。学内初の工学系研究所)。
2.12福岡臨時教員養成所設置〔文告54〕(数学科を置く。4月より授業開始)。
3.28法文学部教授今中次麿,出版法違反を原因として辞職。
4.1農学部に農業工学科を,理学部に数学科を設置。
福岡臨時教員養成所規則施行。
4.21九州帝国大学報国隊を改組し,九州帝国大学防護団を設置。
9.23在学年限6ヶ月短縮による学士試験合格証書授与式および臨時附属医学専門部第1回卒業証書授与式を挙行。
10.27保健部協議会を設置。
11.25「大学学部等ノ在学年限又ハ修業年限ノ昭和18年度臨時短縮ニ関スル件」公布〔文省68〕(大学学部の在学年限は昭18年度においてはその年度に卒業すべき者につき6ヶ月短縮)。
昭和18年(1943年) 2.1弾性工学研究所創設〔勅55〕(弾性工学研究所官制制定)。
3.8「大学学部等ノ在学年限又ハ修業年限ノ臨時短縮ニ関スル件」改正〔勅111〕(年限短縮を恒久化)。
3.12九州帝国大学大学院制度調査委員会を設置。
3.31「学部長, 臨時附属医学専門部主事, 流体工学研究所長及弾性工学研究所長委任事項」を制定。
4.8海南島における熱帯農林研究所の敷地が決定。
6.25閣議,「学徒戦時動員体制確立要綱」を決定(本土防衛のため軍事教練と勤労動員を徹底)。
7.1初の防空訓練を実施。
7.12大森治豊銅像供出。
8.20閣議,「科学研究ノ緊急整備方策要綱」を決定(大学その他の科学研究は戦争遂行を唯一絶対の目標とする)。9.21評議会,科学研究動員委員会の設置を決定。
9.21評議会,学生生徒の制服に国民服乙号型の併用を認可。
9.29「大学院又ハ研究科ノ特別研究生ニ関スル件」公布,大学院特別研究生制度発足〔文省74〕(10.1施行)。
10.1興学会に保健部を設置,学生の医療費補助制度を開始。
10.2在学徴集延期臨時特例公布〔勅755〕(学生生徒の徴兵猶予停止)。
10.12閣議,「教育ニ関スル戦時非常措置方策」を決定(理工科系統および教員養成諸学校学生の他は徴兵猶予を停止。1年に4ヶ月の動員態勢)。
10.14内閣,研究動員会議を設置〔勅778〕,同時に臨時戦時研究員設置制を公布〔勅777〕。
10.18大日本育英会設立。
10.19法文学部学生を中心とする学徒出陣のために全学壮行会を挙行。
10.20九州帝国大学新聞,第269号をもって休刊(昭23.3.20復刊)。
10.21文部省,法文学部学生の京都帝国大学への委託案を内示。11.10法文学部教授会,反対の意見書を提出。
10.30法文学部教授会,翌昭和19年9月卒業予定学生のうち,最低13単位以上取得した者を本年11月に仮卒業させることに決定。
11.25「大学学部等ノ在学年限又ハ修業年限ノ昭和19年度臨時短縮ニ関スル件」公布〔文省80〕(大学学部の在学年限は昭19年度においてはその年度に卒業すべき者につき6ヶ月短縮。昭19.4.1施行)。
12.24徴兵適齢臨時特例公布〔勅939〕(適齢を1年引き下げ満19歳とする)。
12.28九州帝国大学特設防護団規程を制定(全学防護団を特設防護団に改組)。
昭和19年(1944年) 1.18閣議,「緊急学徒勤労動員方策要項」を決定(学徒勤労動員は年間4ヶ月を継続して行うことになる)。
2.4文部省,大学・高専の軍事教育強化方針を発表(航空訓練・軍事学・兵器学等を教習)。
2.15学校特別会計法公布〔法9〕(昭和19年度より施行)。
2.17大日本育英会法公布〔法30〕(4.16施行)。
3.7閣議,学徒勤労動員を通年実施と決定。
3.28「学校ニ於ケル休業日ニ関スル件」公布〔文省13〕。
3.30戦前最後の『九州帝国大学一覧』を刊行(昭和29年度まで休刊)。
4.1九州帝国大学臨時附属医学専門部,九州帝国大学附属医学専門部と改称〔勅200〕。
九州帝国大学附属工業専門部設置〔勅200〕。
4.24久留米高等工業学校,久留米工業専門学校と改称〔文省28〕(4.1適用。昭24.5.31九州大学久留米工業専門学校となる〔法150〕)。
5.10医学部内に熱帯伝染病研究所を設置(昭21.2.14風土病研究所と改称)。
法文会,福岡県の指示により『法文論叢』の廃刊を決定。
5.20木材研究所創設〔勅354〕(木材研究所官制制定。九大と京大に木材研究所を附置)。
5.-通年勤労動員を開始。各学部学生,飛行場建設や軍需工場に動員される。
7.2理学部原子核実験室竣工。
8.23九州帝国大学官制改正,農学部に附属水産実験所を設置〔勅515〕。
学徒勤労令公布〔勅518〕(大学・高専の2年以上理科系学徒1000人に限って勤労動員より除外,科学研究要員とする)。
10.1農学部農学科に畜産学専攻課程を設置。
理学部内に文部省科学研究補助技術員九州養成所を設置。
-.-九州帝国大学報国隊規程を制定。

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